福岡詩麻

2023年2月14日

角膜カンファランス2023発表〜マイボーム腺機能不全に対するアジマイシン点眼後のIPL治療

こんにちは。

大宮はまだ眼科西口分院

院長の福岡詩麻です。

先週、

角膜カンファランス2023

(日本角膜学会)が

横浜で開催されました。

私からは、

眼瞼炎をともなう

マイボーム腺機能不全に対して

アジスロマイシン

(アジマイシン®︎)点眼を処方し、

さらにIPL(Intense Pulsed Light)治療を行った症例について

お話させていただきました。

共同演者の有田玲子先生

(LIME研究会代表、伊藤医院)と。

マイボーム腺は

涙のあぶらを分泌しています。

マイボーム腺機能不全では、

まぶたの縁にある

あぶらの出口がつまったり

あぶらの質が悪化したり

あぶらの量が減ったりして

涙のあぶらの足りないタイプの

ドライアイになります。

アジスロマイシン点眼は

マイボーム腺機能不全の

国際的なガイドラインで

2段階目の治療薬です。

なお、1段階目の治療は

患者さんの教育や

温罨法(まぶたを温める)

リッドハイジーン(まぶたの縁を洗う)

とされています。

(MGD Workshop, 2011年)

IPL治療は

点眼や涙点プラグとともに

2段階目のドライアイ治療法として

国際的に推奨されています。

(TFOS DEWS II Report, 2017年)

どちらも

まぶたのあぶらの詰まりや

まぶたの縁の炎症を改善する

効果が報告されています。

どんな方にIPLを行うのが

よいでしょうかと

ご質問いただきました。

IPL治療がはじまったころは、

他の治療ではよくならない

重症な方にIPLを行なっていましたが、

最近では、

重症な方はもちろん、

マイボーム腺を守るためにも

軽症なうちから

IPLを行なっていただくのが

よいと考えています

ということをお伝えしました。

今月出版された

マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」でも

マイボーム腺機能不全に対して、

アジマイシン®︎点眼と

IPL治療が推奨されています。

雪や雨で寒い日でしたが、

今回の学会では

久しぶりに

現地で参加、発表する形式だったので

会場のパシフィコ横浜には

たくさんの先生方が

いらしていました。

オンラインも便利ですが

リアルで集まれる学会は

やはりよいものだなと思いました。
 

 

<参考文献>

The International Workshop on Meibomian Gland Dysfunction: Executive Summary | IOVS | ARVO Journals

The International Workshop on Meibomian Gland Dysfunction: Report of the Subcommittee on Management and Treatment of Meibomian Gland Dysfunction | IOVS | ARVO Journals

TFOS DEWS II Management and Therapy Report - ScienceDirect
 

 
日本眼科学会:マイボーム腺機能不全診療ガイドライン (nichigan.or.jp)

Proposed Algorithm for Management of Meibomian Gland Dysfunction Based on Noninvasive Meibography - PMC (nih.gov)

#学会研究

#IPL

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#マイボーム腺機能不全

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