こんにちは。
大宮はまだ眼科西口分院
院長の福岡詩麻です。
「膠原病による眼病変を考える会」
が、先週オンラインで行われました。
私からは
プラケニル®による目の副作用
ヒドロキシクロロキン網膜症の
眼科検診について
講演させていただきました。
プラケニル®️
(一般名 ヒドロキシクロロキン)は
全身性エリテマトーデス(SLE)や
皮膚エリテマトーデス(CLE)の
患者さんに処方されています。
プラケニル®を内服していると
目の副作用である
ヒドロキシクロロキン網膜症がでて、
視野(見えている範囲)が
欠けてきたり
視力が落ちたりすることがあります。
プラケニル®を
より多く(1日あたり、体重あたり)
より長い期間 内服し続けるほど
網膜症のリスクが上がることが
わかっています。
もちろんプラケニル®を内服している
患者さん全員が 網膜症になるわけではありませんが 注意が必要です。
2023年2月に発表された
アメリカの論文では、
プラケニル®による副作用である ヒドロキシクロロキン網膜症を 発症した割合と重症度は
プラケニル®の内服を開始してから
10年間で2.5%
15年間で8.6%、
そのうち
軽症は69%、
中等症は21%、
重症は12%
だったとのことです。
失明された方はいらっしゃいませんでした。
この研究では網膜症の診断に、
OCT(Optical Coherence Tomography (光干渉断層計))
という検査機器を用いています。
患者さんの視力が落ちたり
視野がかけているのに気づく前に できるだけ早く ヒドロキシクロロキン網膜症を診断して 内服を中止するためです。
現在、日本では
約3万8000人〜4万人ほどの患者さんが
プラケニル®を内服しています。
全国で
プラケニル®の眼科検診を行っている
病院や医院は2600ヶ所ほどです。
ネットでも、 プラケニル®による網膜症の 眼科検診を受けられる眼科が検索できます。
では、
プラケニル®を内服している患者さんは、
OCTだけではなく 視力や眼圧、視野、色覚検査などの 眼科の検査と診察を
1年~半年に1回受けることが 推奨されています。
プラケニル®︎を内服されている方
これから内服予定の方は、
ご自身の大切な目のために
定期的に眼科検診を受けてくださいね。
こちらもお読みください
<院長ブログ>
Melles RB, Jorge AM, Marmor MF, Zhou B, Conell C, Niu J, McCormick N, Zhang Y, Choi HK.Ann Intern Med. 2023 Feb;176(2):166-173. doi: 10.7326/M22-2453. Epub 2023 Jan 17.PMID: 36645889
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写真右から
蕪城俊克先生(自治医科大学附属さいたま医療センター 眼科 教授)
天野宏一先生(埼玉医科大学綜合医療センター リウマチ・膠原病科 教授)
私です。
今回のセミナーでは
埼玉医科大学綜合医療センター リウマチ・膠原病科の
天野先生に座長をしていただきました。
先生とお話させていただいて、
膠原病の患者さんの診療には
内科と眼科との連携が大切であることが
あらためてよくわかりました。
どうもありがとうございました。
蕪城先生には
東大病院の研修医のころから
ずっとお世話になっています。
当院が開院したばかりころに
非常勤にいらしていただいていました。
先生が
自治医科大学附属さいたま医療センターの 教授に就任されてからも
当院の患者さんの
ご相談をさせていただいています。
蕪城先生の
ベーチェット病とサルコイドーシスによる ぶどう膜炎についてのご講演で
病気の特徴だけだなく
最新の治療方針についてうかがえて
大変勉強になりました。
今回、 久しぶりにお会いできて、
一緒に講演をさせていただくことができて 光栄でした。
当日、
約50-60名ほどの
全国の眼科・内科の先生方が
ご視聴くださったとのこと どうもありがとうございました。
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#検査
#早期発見
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