こんにちは。
大宮はまだ眼科西口分院
院長の福岡詩麻です。
最近、網膜剥離がみつかる
患者さんが多いです。
網膜は
光を感じる神経細胞が集まっている
眼球（目玉）の内側にある
うすい膜です。
この大切な膜が
はがれてしまったのが
網膜剥離です。
網膜裂孔 （もうまくれっこう、網膜のあな）が
原因のものもあれば、
裂孔以外の
原因のこともあります。
今回は、
網膜裂孔にともなう網膜剥離に
ついてお話します。
＜網膜剥離の症状＞
⚫︎飛蚊症（ひぶんしょう）
目を動かすと、
ゴミや点々、けむりのようなものが
飛んでみえる。
⚫︎光視症（こうししょう）
視界のはじに光が走る。
⚫︎歪視（わいし）、変視症（へんししょう）
ものがゆがんで見える。
⚫︎視野異常、視野狭窄（しやきょうさく）
見える範囲がせまい。
一部分が見づらい。
⚫︎視力低下、霧視（むし）
メガネをかけてもかけなくても
見づらい。
かすんでみえる。
これらの症状がでて
眼科に受診して
網膜剥離がみつかる方もいれば、
別のことで受診されて、
たまたま網膜剥離がみつかる
方もいらっしゃいます。
＜網膜剥離の検査＞
⚫︎視力検査
網膜剥離が
黄斑部（ものを見る中心の網膜）に
かかってしまうと、
視力が落ちます。
網膜剥離にともない、
硝子体出血（しょうしたいしゅっけつ）する
＝眼球の中のゼリーの部分に出血が広がると、
かすんで見づらくなることがあります。
⚫︎眼圧
網膜剥離の範囲が広いと、
眼圧が低くなる
（目玉のかたさが柔らかくなる）
ことがあります。
⚫︎眼底検査
眼底（目の奥）が見やすいように、
散瞳剤を点眼して
瞳孔（ひとみ）を広げて
網膜全体、はじのほうまで診察します。
⚫︎眼底写真
眼底の約80%の範囲を広く
カバーすることができる
超広角眼底カメラで
無散瞳での眼底写真で
網膜剥離がみつかることもあります。
＜網膜剥離の治療＞
網膜裂孔が原因の
網膜剥離で
範囲が小さい場合は、
それ以上、
網膜剥離が進まないように
レーザーで
網膜裂孔と剥離をかこみます。
写真奥の
眼球模型、
内側のオレンジの部分が
網膜です。
網膜の一部に
穴があくと、
穴のまわりの部分が
はがれてきます。
網膜がはがれた範囲が
さほど広くない場合、
さらに網膜が
はがれてこないように
まわりの網膜に
レーザーを打って囲みます。
写真手前は、
眼底（網膜硝子体）の詳しい
診察・レーザー用のレンズです。
写真は当院のレーザーの機械です。
機械の
奥側に医師、
手前側に患者さんが
顎台にお顔をのせた状態で
座ります。
レーザーをするほうの目に 点眼麻酔をしたあと、
レーザー用のレンズに
ジェルのようなものをたらし、
目にレンズを接触させて
レーザーをうちます。
網膜裂孔が大きかったり、
網膜剥離の範囲が広かったり、
レーザーをしても
さらに網膜剥離が広がっていったり、
黄斑部（ものを見る中心部の網膜）
近くまではがれている
など、
網膜剥離の手術が必要な方は
専門医にご紹介させていただきます。
病状によっては、
緊急手術が
必要な場合もあります。
緊急というのは
当日もしくは翌日のうちに
手術を受けるという意味です。
日帰りで網膜剥離手術を
している病院もありますが、
多くの病院では入院になります。
「大事な仕事が…」
「大事な用事が…」
「家族の世話が…」
と、
いろいろ気にかかることは
あるとは思いますが、
網膜剥離は
「失明する」
（ものの形がわからないだけでなく
光もわからなくなる状態になる）
ことがある病気です。
ご自分の目を
第一に優先することを
考えてください。
網膜剥離も
早期発見・早期治療が
大事です！
飛蚊症
光がみえる
視野がかける
見づらいなど
気になる症状がある方は
早めに
眼科に受診して
診察を受けてください！
#検査