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  • 福岡詩麻

Intense Pulsed Light (IPL)を用いたドライアイ・マイボーム腺機能不全の治療


大宮はまだ眼科西口分院

院長の福岡詩麻です。




当院では

ドライアイ・マイボーム腺機能不全に対する

Intense pulsed light (IPL)治療

を開始いたしました。







ドライアイ・マイボーム腺機能不全について


目の表面は、

涙で守られています。



涙は、

99%の水と、

1%のあぶらでできています。



涙の水分

涙腺から分泌されます。



涙のあぶらは、

まぶたにあるマイボーム腺でつくられて、


まばたきのたびに

まぶたの縁にある

マイボーム腺開口部から

分泌されます。



涙のあぶらが、

涙の水の層の表面に

薄く広がることで、

水分の蒸発をふせいでくれています。




ドライアイは、

さまざまな要因によって、

涙液の安定性が低下する病気です。


涙の水分が少なかったり、

涙の質が悪かったりして、

涙が蒸発しやすくなることで、


目の不快感や視機能の異常がでたり、

目の表面の障害を

ともなうことがあります。




マイボーム腺機能不全(MGD)は、


マイボーム腺の出口が詰まったり、

マイボーム腺が減ってしまったりして、


マイボーム腺から分泌される

あぶらの質が悪化したり、

減ってしまったりしている状態です。




ドライアイは、

「涙の水分が少ないタイプ」

「涙のあぶらが足りないタイプ」

がありますが、


マイボーム腺機能不全になると

「涙のあぶらが足りないタイプ」

のドライアイにつながります。


マイボーム腺機能不全にともなう

「涙のあぶらが足りないタイプ」

のドライアイが、

ドライアイ全体の8割以上

圧倒的に多いことがわかってきました。






マイボーム腺機能不全の症状


●目が疲れやすい


●なんとなく

 目がごろごろしたり、

 不快感がある


●めやにがたまりやすい 


●涙目になりやすい、

 うるうるする 


●目がかゆい


●まぶたが重い 


●まぶたが熱い 


●ものもらいができやすい

 (霰粒腫、麦粒腫)


●充血しやすい 


●まつげが減ったり、

 目にささったりしやすい


●まつげが汚れやすい 


●朝、目が開けにくい 


●朝、症状がひどく出やすい






IPL治療とは


IPL治療は、

レーザーよりも幅広い波長の光を、

カメラのフラッシュのように

極短時間照射する治療です。



長年にわたり、

皮膚科、美容皮膚科領域で

使用されています。



これを眼科領域に応用した

ドライアイやマイボーム腺機能不全

に対するIPL治療は、


国際的なドライアイ治療ガイドライン

(TFOS DEWS Ⅱ、2017年)でも

推奨されており、


アメリカ、ヨーロッパ、

中国、韓国、台湾など

アジアの国々でも

行われています。




IPLの効果


IPLには

以下のような作用があると

考えられています。


光で皮膚の深部を温めて、

 マイボーム腺のあぶら

 (マイバム)を溶かす作用


●炎症を抑える作用


●眼の周りの

 デモデックス(まつげダニ)や

 細菌を減らす作用


●肌のコラーゲンを

 再生する作用




IPL治療により、

マイボーム腺開口部の詰まり

(Plugging、

いわゆるタピオカサイン)が減り、


涙のあぶらの質や量を改善

することで、


涙の安定性が改善し、


自覚症状も改善

したということが、


これまでの臨床研究で

報告されています。








施術の方法


当院では IPL治療機である AQUA CEL(アクアセル)を 用いて施術を行います。

IPLの施術は

5分~10分程度で終了します。


(1)ベッドに横になり両目を閉じます


(2)専用のアイシールドを

 両目に装着します。


(3)耳のわきから頬、鼻にかけて

 冷たいジェルをたっぷり塗ります。


(4)こめかみ、頬、まぶた、鼻にかけて

 IPLを数回照射します。


(5)照射が終わったら、

 ジェルを拭き取ります。


※検査や診察の時間が

別にかかります。



※効果を上げるため、

施術前にメイク、基礎化粧品を

落としていただきます


治療後、お化粧して帰ることは可能です。


※施術後は

日光に敏感になりますので、

日焼け止めを塗ってから ご帰宅いただきます。



※ご自身の肌にあった 日焼け止めをご持参ください。


※必要な方は、

メイク落とし、タオル、

メイク用品等をご持参ください。




福岡(院長)が IPL治療を受けている YouTube動画は、 こちらからご覧ください




IPLの治療期間


重症度や

これまでの罹病期間にもよりますが、


2週間から4週間おきに4回以上

治療すると効果が高いと

報告されています。




IPL施術の副作用


施術時に、

瞬間的にぴりっとした痛みを

感じることがあります。


皮膚の状態や皮膚の色により、

施術部位に赤み、

ほてりやひりひり感が

でたりすることがあります。


ごくまれに

かさぶたや水ぶくれが

できることがあります。







IPL治療の適応のない方


IPL治療は光治療です。

以下の方は施術できません。


□妊娠中、授乳中の方


□紫外線アレルギーなど  光に対するアレルギー  (光線過敏症)がある方


□光感受性を高める薬を  内服・外用している方


□糖尿病、アルコール中毒の方


□日焼けをしている方


□スキンタイプVIの方  (肌が暗褐色)


□ケロイドになりやすい方

□てんかん発作の既往がある方


□血液凝固能に異常がある方


□前がん病変、皮膚がん、  または皮膚がんの既往歴がある方


□眼疾患の急性炎症の時期








IPL治療の費用


ドライアイ・マイボーム腺機能不全 に対するIPL治療は、

健康保険適応外のため自由診療です。



<IPL治療費:検査代、診察代込>


 1回   8,000円 (税込) 


   

※薬の処方を希望される場合は、 自費で処方いたします。


※他の保険診療と 同日に施術することはできません。






ドライアイ・マイボーム腺機能不全 に対するIPL治療は、 福岡院長が担当いたします。


予約制です。


⇒福岡院長の勤務日は、

担当医カレンダーをご確認下さい。



治療をご希望の方、

ご興味のある方は、

当院医師もしくは スタッフにご相談ください。











関連記事

<院長ブログ>








<YouTube> YouTubeチャンネル

「眼科医 有田玲子先生の

ドライアイ診察室」 では、

私、福岡が

有田玲子先生の病院で

実際にIPL治療を受けてきた

映像も紹介されています。



<その他のリンク>




Toyos R, McGill W, Briscoe D.

Photomed Laser Surg. 2015 Jan;33(1):41-6. doi: 10.1089/pho.2014.3819.


Jones L, Downie LE, Korb D, Benitez-Del-Castillo JM, Dana R, Deng SX, Dong PN, Geerling G, Hida RY, Liu Y, Seo KY, Tauber J, Wakamatsu TH, Xu J, Wolffsohn JS, Craig JP.

Ocul Surf. 2017 Jul;15(3):575-628. doi: 10.1016/j.jtos.2017.05.006. Epub 2017 Jul 20.


Cornea. 2018 Dec;37(12):1566-1571. doi: 10.1097/ICO.0000000000001687.


Arita R, Fukuoka S, Morishige N.

Ocul Surf. 2019 Jan;17(1):104-110. doi: 10.1016/j.jtos.2018.11.004. Epub 2018 Nov 13.




#IPL #ドライアイ

#マイボーム腺機能不全

#目の病気について

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